こんにちは!韓国情報サイトKorea Cloudです。
韓国エッセイ「モノから学びます」を読みました。
イラストレーターであり、エッセイストのイムジーナ氏による著作。
身近な日常の一瞬を切り取ったストーリーは、読み手の心をときほぐし、穏やかな気持ちにさせてくれます。
今回の記事では、「モノから学びます」の著者イムジーナ氏について&感想をまとめます♩
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「モノから学びます」韓国語版&作者紹介
イムジーナ著「モノから学びます 〜今日が素敵になる魔法」。
韓国語の原題は、「사물에게 배웁니다(物事から学びます)」です。
著者のイムジーナ氏は、1986年生まれ、ソウル在住のエッセイスト。
「モノから学びます」の表紙に描かれた主人公らしき人物は、ちょっと中性的でもありますが。
ご本人は、とても素敵な女性ですね♩
味わいのあるイラストは、ほのぼのとして可愛く。
エッセイストとしての著作は、「パンを選ぶように暮らしたい(2018)」、「まだ東京(2019)」があります。
2021年には韓国で新作「오늘의 단어(日本語訳:今日の単語)」も発売に。
「モノから学びます」の感想
韓国エッセイ「モノから学びます」の感想をご紹介していきます。
お気に入りの章。
まずもくじから、素敵な章をピックしてみます。
01〈はじまりの〉モノ
〈モノさん〉とハイタッチ
わたしが好きになる〈モノたち〉
わたしが嫌いになる〈モノたち〉…
02〈生活を育てる〉モノたち
〈テーブル〉の時間
〈水〉仕事
〈部屋〉を整理する方法 …
03〈今日のわたしを生かす〉モノ
四月に届いた〈オリーブオイル〉
お母さんの〈黒豆煮〉
〈バター〉に笑った …
04〈幸せがつまった〉モノたち
ありがとう〈ほうれん草〉、よろしくね〈インゲン>
〈しおり紐〉一本
イム・ジーナという〈ティーバッグ〉
〈紙袋〉に吹く風 …
05〈時間が止まった〉モノ
冬の〈カフェインレスコーヒー〉…
06〈わたしたちのための〉モノ
しっとりしていない〈スイーツ〉
わたしの知る限り、いちばん冷たい〈モノ〉 …
印象深いストーリー ①電気ポットとハイタッチ
特に印象深いストーリーの一つが、冒頭の1話「〈モノさん〉とハイタッチ」です。
「モノから学びます」を象徴するようなエピソードかなと思います。
仕事が立て込む1日の中で、緊張をといてくれる時間。
それは、ハンドドリップでコーヒーを入れたり、電気ポットでお湯を沸かす時間で。
沸騰するとカチッとなるあの瞬間を、著者は「電気ポットとハイタッチする気分」と表現します。
今日も一日頑張ったな、と思える瞬間を切り取っています。
慌ただしく、やるべきことを追いかけて過ぎてしまう日常。
その中で、モノと向き合う時間に、ちょっとだけ立ち止まってみる。
ささやかだけど、誰もができるわけではない。
そのエピソードに、ふっと心が温まり、自分もそうやって止まって見ようか。
そう思えるストーリーです。
印象深いストーリー ②だからコーヒーが欲しくなる
著者のお気に入りのカフェでの話。
コーヒーが美味しくて通うカフェなのですが。
スイーツが、しっとりしていない。
でも、だからコーヒーが欲しくなる。
お客さんと付かず離れずの接客もとても心地よく。
すべて計算されている?と、そのカフェについての感想を綴るエピソードです。
「このカフェ、なんか居心地いいな」
で終わらず、なんで居心地いいんだろう。と、その理由まで探る著者。
細かいところまで気付くがゆえに、自然に理由までたどり着いているような感じでしょうか。
その淡々とした語り口が、愛を感じられてとても素敵な一話です。
印象深いストーリー ③日本のスタッフ
イムジーナ氏は、東京に度々足を運んでおり、東京を題材にしたエッセイも書いています。
本書の中でも、日本でのストーリーがいくつかかかれているのですが。
中でも、美術館のグッズショップでの一コマを切り取ったエッセイが素敵でした。
新人で不慣れなスタッフが、焦る様子を見ていたイム氏。
自分の番で、そのスタッフがとってくれた対応に、驚きと感嘆を表しています。
スタッフの方の行動も素晴らしいのでしょうが、そこに気づくイム氏の目線も素晴らしいなと思うエピソードです。
ちょっぴりほろ苦く、日々を見つめるエッセイ。
韓国エッセイ「モノから学びます」を読んでの感想を一言でまとめると、ちょっとほろ苦くて、ちょっとほっとする。
そんな一冊かなと思います。
イムジーナ氏の観察眼は驚くべきで、身近なものや人の行動。
当たり前すぎて、日常で流れて行ってしまうような出来事に。
イム氏は、時に深く切り込んでいきます。
きっと、とても繊細で感じやすい方なのだなと。
彼女の視点を通して、自分自身の日常や感覚を取り戻すような、穏やかながらも心に残る1冊でした。
Amazonの紹介文には、「1日1章ずつ」とありますが、
1話が短く、テンポ良いので、なんなら1日で全て読めてしまうほど。
イム氏自身による、ほのぼのしたイラストが素敵です。
ぜひ実際に手にとって、穏やかな読書時間を過ごしてください♩
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